ZIPANG-5 TOKIO 2020~日本野鳥の会ツバメ全国調査(2013~2020)~

全国約1万巣を分析都市化と人口減の双方がツバメの子育てに影響



ツバメとは

日本で見られるツバメのなかまは、ツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメの5種類です。世界には、約80種類のツバメのなかまがくらしています。ヒメアマツバメは、ツバメとよく似ていますが、ツバメとは縁が遠いアマツバメのなかまです。


ツバメ

北海道から九州までの地域に夏鳥として飛来し、人家や商店、駅などに泥でできたおわん型の巣をつくる。体の色は光沢のある黒で、腹は白く、額と喉が赤い。尾は長く二つに分かれ、オスの尾はメスよりも長く見える。



春から夏にかけて繁殖し、2回子育てすることもある。トンボやアブ、ユスリカなどの飛ぶ虫を、飛びながら捕える。チュピッなどと鳴き、さえずりは「土食って虫食ってしぶーい」と聞こえる。 子育てが終わると、川沿いのヨシ原等に数千羽から数万羽が集まり、ねぐらをとる。8月中旬から10月にかけて東南アジアへ渡る。

全長:17cm 翼開長:32cm




イワツバメ

ツバメよりやや小さく、尾の切れ込みが浅い。体の上面は光沢のある黒で、腰が白く、下面は白い。北海道から九州までの山地や市街地に飛来し、ホテルやビル、橋の下などに集団で営巣する。 巣は球形で、ツバメと異なり天井部まで土で覆われている。高い空を飛び回り、空中で虫を捕える。ジュルッ、チュビッなどと濁った声で鳴く。

全長:14cm 翼開長:30cm


コシアカツバメ

ツバメよりやや大きく、腰と目の後ろが赤褐色で、のどから腹に縦のすじがある。北海道から九州までの市街地に飛来するが、関東以西に多い。 集合住宅などの建物の高いところや、橋の下に営巣する。巣はイワツバメと似ているが、出入り口が長く、とっくり型をしている。ツバメに似た声で鳴く。

全長:18cm 翼開長:32cm


ショウドウツバメ

ツバメより小さく、尾の切れ込みが浅い。上面は黒褐色で、のどと腹は白い。北海道の海岸、原野、河川、農耕地に夏鳥として飛来する。土手に穴を掘って集団で繁殖することから、小洞(ショウドウ)ツバメという名がついた。ジュジュジュなどと鳴く。

全長:12cm 翼開長:28cm


リュウキュウツバメ

ツバメに似ているが、尾の切れ込みが浅く、胸から腹は灰褐色をしている。奄美大島より南で見られ、沖縄県で留鳥。人家や橋などにツバメと同じような、おわん型の巣をつくる。ツバメに似た濁った声で鳴く。

全長:13cm 翼開長:30cm


ツバメに似ているが別のなかま

ヒメアマツバメ

ツバメに似ているが、アマツバメ科という別のグループ。体の色は黒褐色で、のどと腰が白い。ビルや高架などに集団で営巣する。巣には羽毛が付いており、イワツバメやコシアカツバメの巣を利用することもある。チリリリィ―と鳴く。

全長:13cm 翼開長:28cm



日本野鳥の会ツバメ全国調査(2013~2020)~


(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:上田恵介、会員・サポーター数:約5万人)では、近年減少が示唆されているツバメの現状を明らかにするため、全国に呼びかけて、2012年から市民参加型の調査を開始しました。


2012年のこの調査では約4割の方が「ツバメが減っている」と感じ、その一因として不衛生を理由に人が巣を落としてしまうケースがありました。


そこで2013年からは当会ではHP上に「ツバメの子育て状況調査」を設置してツバメの子育ての様子の情報を集め、昨年(2020年)までの8年間に、のべ5,351人の方から10,586巣の観察情報の全国規模のデータの分析結果から、ツバメの子育ての現状について、以下のことがわかってきました。

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都市化や過疎化など、人の暮らしがツバメの子育てに影響

① 1つの巣から雛が巣立つ平均数(8年間の全国平均)=約4羽。

② ただし市街地では3.8羽、それ以外では4.2羽と、都市化した場所は子育てに適さない可能性がある。


図1 営巣環境別の平均巣立ち雛数の経年変化


 ③ 子育ての失敗の要因の多くは、カラスやヘビの捕食、巣の落下など自然のなかで起こる出来事だが、1割弱が人による巣の撤去であることが報告されている。


図2 ツバメの子育ての失敗要因


④過疎化により人口が減少した地域では、人がいないことによって、ツバメの卵や雛が捕食される危険性が高くなり、ツバメの営巣が減っている可能性がある。 


(公財)日本野鳥の会からのコメント

ツバメの子育てを優しく見守り、共に暮らせる社会を

『古くからツバメは農作物の害虫を食べる益鳥として、また、巣をかけた家には幸福を招く鳥として親しまれてきました。しかし、近年の開発やライフスタイルの変化等とともにツバメが子育てできる環境が減り、都市部での巣立ち雛の減少と、過疎地域での営巣の減少が進んでいることが明らかになりました。


都市部でツバメが子育てをするには、水辺環境と緑地が必要で、かつ、ツバメの存在を見守る人々の思いが大切です。環境を改善していくには時間がかかりますが、私たち一人ひとりがツバメの子育てを優しく見守っていくことは可能です。


日本野鳥の会は、引き続き、市民参加によるツバメの全国調査を実施しモニタリングをするとともに、ツバメを観察する際の注意点、ポイント等をまとめたパンフレット「ようこそツバメ」の配布や、観察会などを通じて、ツバメを温かく見守ってくれる人々を増やし、人と自然の共存の象徴であるツバメが、いつまでも日本で子育てできるような社会をめざしていきます。』


■日本野鳥の会 組織概要

組織名 :公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)

代表者 :理事長 遠藤孝一

所在地 :〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル


【日本野鳥の会のツバメに関する活動】

パンフレット『ようこそツバメ』 A3サイズ(約30×42㎝)両面フルカラー ※折りたたみ時ハガキサイズ(約15×10cm)


■ツバメ観察のパンフレット

ツバメを取り巻く環境を知っていただくとともに、ツバメを温かく見守る気持ちを広めることを目的に、ツバメを観察する際の注意点、ポイント等をまとめたパンフレットを希望者全員に無料で配布しています。E-mail:hogo@wbsj.org



編集後記

我が編集局のすぐ裏にあるNスーパーの軒に燕の巣が掛けられ、いつの間にか黄色い嘴の子燕たちが親に餌をねだってピーピーと鳴き始めました。世の中はコロナ禍にあっても、変わらぬ恒例の風物詩にほっこり ♫

ただこの辺りはやたらと烏類多く、先日もNスーパーに隣接した小川(今や飲食物の空き缶やペットボトル、弁当の容器が浮かんだどぶ川に成り下がった)を縫うように泳いでいたカルガモの雛が烏に襲われ、1匹減り2匹減りしているうちに…ついに全滅してしまいました。

野生で生き残ることの厳しさをつくづく感じる今日この頃であります・・・

今も、カルガモ両親の悲しそうな姿が目に浮かんできます。一度は追い払ったのですが、眼を離した隙に・・・それにつけても忌々しい烏の奴め!と叫びたいところですが…頭を冷やしてみるとホントの犯人は…?

先ずは烏を呼び寄せるゴミ、それを平然と捨てる輩たち?…こんな行為を見ても見ぬふりする人々?…其処は敷地外としてそれを放置する企業?…これってまさに人災ではないか?

長年の清掃ボランティアと高齢による体力限界の鎹八咫烏 (自分もカラスでした>.< )としては、いまやカルガモの雛たちの冥福を祈ることしかできない…

後は天罰が下る日を待つしかないのだろうか・・・合掌  



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略)

(公財)日本野鳥の会 〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。



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ZIPANG-3 TOKIO 2020~日本一の動物の種類数を誇る~コアラ来園35周年記念「令和元年 第69回東山動植物園秋まつり」開催!

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ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)

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ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)

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ZIPANG-5 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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