2020年9月3日、名古屋市昭和区の桜並木の美しい「山崎川」まで徒歩約5分の場所に株式会社ランドスキップ(本社:愛知県稲沢市西溝口町郷東45-4)は、全国でも珍しい庭のデザインショールームをプレオープンしました。
ランドスキップ名古屋ショールーム
室内より
ショールームの庭
花士 珠寳氏によるなげいれ花ワークショップも開催
ショールームは、その昔、観たヘラルド映画の1シーン、
今にも奥からジャンポール・ヴェルモンドが出てきそうだ…
ショールームは、色とりどりの植物で溢れかえっているが、天然内装材とのマッチングは不思議でも何でもない。
ショールームは、アートと植物のコーディネート実験室である
ショールームは、内に居ながら…いつしか外の自然に包まれているが如き…癒やし感。
今、若者たちの感性…
自然と伝統と未来が繋がる環境とは?それを活かした「古今折衷」の庭とはどんなものか?彼たちの作品を通してご紹介いたします。
稲沢本社ATELIERにて。前列右は、代表の溝口達也氏、左はチーフデザイナー溝口陽子氏
後列は、デザイン及び施工チーム・スタッフの皆さん。
「Landscipe」のコンセプト
「庭/ニハ」という分野において、自然を分母にしたものづくりを約40年続けてきました。
私たちが、「ニハ」というのは、諸説ある「庭」の語源によります。神事、狩猟、農事などを行う場であった「土=ニ 場=ハ」には、私たちが表現したいものにとても近いと感じるからです。
古来、日本には、「人は自然の一部である」という自然観がありました。日頃はあまり意識することはありませんが、人のものの見方や考え方には必ず自然観が大きな影響力を及ぼしています。自然観とは、環境や風土に伴った暮らし方が風習として生活化し、生き方として伝承されてきたものの考え方です。
温暖化が進み、日本の環境も変わりつつありますが、私たちは、現代の風土に合った生き方が出来る「ニハ」を追い求めて行きたいと思います。
それは、人が関わって初めて成立する場。人も木々も建築も、すべてのものが、風景になる暮らし。 この度、そんな暮らしの提案をする場をオープンさせる事となりました。
人が自然の一部であるという考え方を、ただの精神論に終わらせず、その心を伝承することが、その文化を生かすことに繋がるのではないか。 そして、基本となる縦軸の庭文化を守りながら、新しい時代に沿った、夫々が輝くプラスα を見出し、横軸に、その想いを紡いでいきたい。 その想いこそ ’ニハ’ 文化に繋がることと信ずる私たちの願いなのです。
作品 NO.1
朝明の庭に竹垣を施工しました。
御簾垣 四ツ目垣 木賊垣 鉄砲垣 鎧垣 松明垣 茶筅垣 建仁寺垣 銀閣寺垣 南禅寺垣 光悦寺垣 金閣寺垣 竜安寺垣 二尊院垣 桂垣 大津垣 清水垣 沼津垣 随流垣 宗偏垣 などなど、竹垣の種類は現在作られているものに限っても、かなりの数があります。
枕草子に記述があるように、長い竹垣の歴史の中で、それらは受け継がれ育てられてきました。また一面では、単に伝統を継承するだけでなく、材料、工法、デザインの面で色々と工夫が加えられ、新しい竹垣の意匠が考案され作出されてきました。
朝明の庭の竹垣も立子のみで、化粧縄はかけず、極限までシンプルな意匠に。
竹の太さの違いによってできるスリットが、背の高い結界にも軽やかな印象を与え、垣で仕切ることによって逆に空間が広く見えるようになりました。また竹垣が背景となり、手前の木々がより映えるようにもなりました。
施工したばかりの時は、青竹の緑が冴えて清々しいですが、徐々に色あせ、落ち着いた色合いから、枯れた色合いになり周りの景観に溶け込み、5年から10年程で朽ちてしまうものですが、変化する美しさを感じられる人でありたいものです。
作品NO.2
苔庭
世界が緑化される前、全ての生命は水の中にありました。
3億5千万年以上前に水から出て陸上で生息しようとした開拓者、それが苔です。小さな体の構造を環境に適応させながら変化させた苔は、日本だけで1800種、世界には2万種程あるといわれています。
庭に使われる苔は、そのうちの乾性の十種類程度ですが、管理がなかなか難しく苦労されている方も多いのではないでしょうか。
苔は水が好き、という印象がありますが、実は、苔のほとんどは乾燥して枯れることはありません。苔にとって乾燥とは生命の一時的な中断に過ぎないのです。
苔に必要なのは空中湿度であり、過度な水やりは病原菌を繁殖させてしまうことにもなりかねません。環境にあったものを選定すれば、水やりに奔走することもないのです。
作品NO3
山青の庭
庭を計画する際に、場を詠む力が重要であると思う。敷地の高低差、周辺の地形から、地域の風土などを考察することによって、近隣との境界線に新たな風景が見えてくる。 この庭は、隣地の美濃石の擁壁を景色に取り込むため、庭にも同じ素材の壁を作り、サービスヤードに向かう階段をドラマティックに創出した。景観がお互いに補完する場にすると空間に拡がりが出てくる。
作品NO.4
千里の庭
道路脇の緑地帯を横目に、駅からの緩やかな坂をあがると、頭上に現れる弧を描く大きな壁面。室内の窓から、緑地帯の緑が目に飛び込む豊かな環境であるが、住む人にだけでなく街に寄与する景色となるように、大きなカーブのキャンバスをバックに生け花をするように樹々を植えた。
和室の坪庭は、建築のスリットや、室内ルーバーに合うように小端立ての苔庭とし、北庭は、大階段の中の植栽。主庭に設置した大きなレイズドベットは、果樹、ハーブ、草花などを五感で楽しめるようなものにし、様々なシーンを創出した。
作品NO.5
土の華
はらみを持った土のフォルム。 何処にも中心がない、しかし部分と全体がダイナミックに関連する自然の あるがままの美しい調和の場の力を表出し、空間の広がりや無限の極に向かう庭として創出した。
ふむ、つく、ならす、あらゆる衝動を受け入れる豊潤な土。 歓喜し、熱狂する私。全ての感覚にふれる寡黙な聖いガイストに息をのむ。 この地に静かにあくまで静かに土の華をいける。
稲沢市荻須記念美術館 「庭-自然との対話,自己との対話- INAZAWA・現在・未来展②」
■今後の展開
花士 珠寳氏のなげいれ花のワークショップ(年6回)、講演会等(年3回程度)等も開催。
お問い合わせ
ショールーム: Landscipe c/o U
住所:名古屋市昭和区上山町2-1-4 TOTAL BEAUTY U 1F
電話番号:090-6727-7213
営業時間:木金土日 11:00~18:00
日本には戦前、
どこの家にも家庭があった。
かつて、人の住む家とは家庭と呼ばれていましたが、どんな小さい家でも、周りには一定の敷地があり、家そのものが剥き出しの儘、建てられてはいませんでした。
たとえ、猫の額程の狭い敷地でも、目隠し程度の前庭、或いは道路際に立つ家ならば少し道路から下げて、建てられていて、生垣や板塀などで覆われていたし、それが揃っていれば、お隣同士の間でも 目隠しとなり、地域一帯の風情を醸す景観となったのです。
そうです。
家に庭は付き物でした。
それをもって、家庭と呼びました。ところが 日本は戦後76年の間、家庭があって無きがごとし。となりました。
それは何故でしょうか?
当初の占領軍はアジア諸国を本当に最低の民と位置づけ、西洋諸国は思い通りの植民地として考えていましたから、日本には徹底して米国に従うよう、全ての伝統文化など悉く、保持しようとする考えは持ちあわせていませんでした。
日本国自身も徹底的に打ち砕かれ、日本古来の伝承文化を捨て去り、できる限り、あちらに近い文化を取り入れた結果が……
ーー日本には何でもある。古い物から新しい物まで…その上、アメリカンホットドッグ、イタリーのスパゲッティ、フランスのパケットパン、インドのカレー、中華そば、まるで“カオス” だ。それに美味しい !!
エットレ・ソットサス, 1969年 © Wikipedia
ソットサスらの結成した「メンフィス」のデザイン家具コレクション © Wikipedia
日本は一体何者か?
と。戦後招いた建築家、プロダクトデザイナーのエットレ・ソットサス(伊 、1917~2007) ※ が吐いた言葉です。彼はそれなりの言葉で、日本を批評しましたが、それは鋭い、そして耳痛い考察となって私達の耳元で今もって鳴り響くものです。 彼は大変にひょうきんで、温かい人柄でした。
だから 最後に、そうはいっても僕は日本が大好きだと付け加えることを忘れませんでしたが・・・
※ ソットサスがその名を知られるようになったのは、当時有名なオリベッティ社のタイプライターをデザインし、世界を席巻したからです。
漸く、日本は目覚める時が来たようです。
いま、コロナ禍の下、政治、経済、環境、医療、生活、教育、皇室、建築、食事、健康、遊び、娯楽、旅行、交通、交流、趣味、芸術、スポーツ、飲食、旅行
etc. 様々な事象に変化が押し寄せています、
私達は只今、混沌の最中ですが、在宅勤務やオンラインの生活に半分はもうそれに慣れっこになりつつあり、ある人は通勤に悩まされず、往復2~3時間の通勤時間が無くなり、一家団欒での会話が増えて、家庭円満。一方で狭い家の造りでは、自分の個室がない。毎日の楽しみだった筈が、24h体制のリビング密空間ではもう、皆が辟易する、等々。
また、主婦の立場では朝から晩まで、台所に立ちっぱなし。献立を考えるのも億劫。逃げ出したい等、賛否両論です。
まあ、色々と問題ありで、どう言うふうに落ち着くのか…一筋縄では片付かない問題山積ですね?
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
株式会社ランドスキップ
ATELIER 492-8452愛知県稲沢市西溝口町郷東45-4
TOKYO BRUNCH 154-0004東京都世田谷区太子堂1-12-12
SHOWROOM 愛知県名古屋市昭和区上山町2-1-4 1F 電話 090-6491-0521
名古屋市役所〒460-8508 愛知県名古屋市中区三の丸3丁目1−1電話: 052-961-1111
日原もとこ 東北芸術工科大学名誉教授 風土・色彩文化研究所主宰 まんだら塾塾長
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ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
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ZIPANG-2 TOKIO 2020 (VOL-2)
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ZIPANG TOKIO 2020(VOL-1)
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