晒竹犬矢来(京都市 祇園)
我が国における竹の歴史
静岡市登呂遺跡からは篠竹で編んだと思われるかご(篭)が出土し、紀元前3000 年~今日まで5000 年もの歴史があるといわれています。
登呂遺跡(静岡県静岡市)
竹取物語の一節に「竹をよろずのことに使ひけり」とあることから、平安時代には既に多くの生活用具が竹で作られていたと思われます。
竹の栽培の始まりは、均一の材料を大量に必要とする武器作りのためだったといわれ、城の周辺では竹槍に適したハチクが栽培されたり、弓、矢の材料に適したマダケやヤダケが栽培されました。
また、河川の氾濫や山崩れなどの災害を防止する目的からも竹が植えられるようになり、全国各地に広まりました。
ハチク 、マダケ 、モウソウチク は 、昔から利用を目的として栽培されてきたため、日本の三大有用竹といわれています。
1970年頃にマダケが開花するまでは、日本の竹林面積の割合はマダケが70% 、モウソウチクが20% 、ハチクはわずか3% であったが、マダケは一斉開花枯死と竹材の需要が減ったことで減少し、逆にモウソウチクはタケノコ栽培が盛んになったことや江戸時代に中国から渡来して以来一斉開花枯死がないことなどで、現在はモウソウチクが70% 、マダケが20% となり、1970 年頃とは逆になっています。
ハチクは1902~1911年頃に全国で一斉開花枯死により減ってからはほとんど変わっていないが、平安時代頃まではマダケよりも多く栽培されていたようです。
竹林整備読本(静岡県、冊子・平成16年3月発行)より
京銘竹について
『京銘竹』とは京都府の指定工芸品で京都府産の竹に特殊加工を施した美しい竹のことです。
用途は内装材、外装材と様々で今まで京都を中心に一般住宅、歴史的建造物、公共施設、商業施設等を彩ってきた経緯があります。
そこで前回に続いて、京都から本場の「京銘竹」の中から「銘竹」の施工例をご紹介したくご案内致します。
銘竹
一口に竹と言っても、その種類はきわめて多く、風合いもさまざまです。
200年近い時と煙の芸術、独特の渋みが特徴の「本煤竹」。
表面に網目模様を残して煤竹の味わいを染めつけた「染煤竹縄巻き」。
黒い色が竹のイメージを変える「黒竹」。
芽の付いた「芽付晒竹」……。
形も、角・平・丸と多種多様にあります。
女竹(めだけ)
本格的な茶室の小舞・竿縁・間垂木・下地窓に適している。しんなりしていて伸びがある。
「女竹(めだけ)」施工例
矢竹(やだけ)
利用方法は女竹とほぼ同じだが、より強度があり艶がある。
寒竹(かんちく)
独特の淡い緑色が放つ風合いが下地窓など、アクセントとして利用される。
寒竹(かんちく)施工例
錆竹(淡竹)
自然が創りあげた二つとないゴマ模様は、内装材や天井の竿縁として使われる。
錆竹(孟宗)
孟宗の太さがいかせる壁止メや床柱などに最適である。
錆竹(孟宗)施工例
新錆竹(真竹)
細い錆竹が不足がちなため、晒真竹に人工的に絵付けしたもの。
黒竹(淡竹)
淡竹の表面が天然の状態で黒くなっているものの中から基準をクリアーした色の良いものだけを選別し火焙りしたもの。天井一面に張ったり内装材として使われる。
黒竹(淡竹)施工例
虎竹(淡竹)
黒竹と同条件で表面が虎模様である。若干太いものが多い。内装材として使われる。
虎竹(淡竹)施工例
紋竹(淡竹)
虎竹と似ているが柄が大きい。内装材として使われる。
本煤竹
茅葺屋根裏骨組みに使用され、煙に燻されて150年以上たったものをいう。
本煤竹 施工例
染煤竹(真竹)
年々、天然の煤が不足しており代用品として煤色に染め加工したもの。
染煤竹(真竹)施工例
染煤竹(真竹)ぼかし入り
より、本煤に近づけるよう藁を使い網目でぼかしを演出したもの。手間が掛かるため受注生産である。
染煤竹(真竹)ぼかし入り 施工例
次回に続く・・・
竹から生まれた かぐや姫
伝説は東北の地で生きている ‼
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鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(敬称略)
有限会社 横山竹材店 〒602-8062 京都市上京区亀屋町135 電話番号075-441-3981
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