ZIPANG-5 TOKIO 2020 古今折衷 津軽デジタル風土記 ~ 北斎 と ねぷたまつり ~(一)


津軽デジタル風土記



津軽地方には、貴重な文献資料が豊富に残されています。

残された数多の貴重文献から、特に「本州最北端に生きた人々」とするテーマに絞っても、更に膨大な資料が残されている状況であります。 当方ではお役目として、それに関連する絵図や、それ等に関する故事来歴等を抜粋したりの、さわり程度のことしか、お伝え出来ませんが、 是非、皆様にはこの機会にご照覧頂きたくご紹介するものであります。


今日迄、あまり知られていなかった絵図や、津軽の風物を描いた画帳など、珍しい資料が惜しげなく公開されました。歴史的にも文化的にも興味がそそられる、これらの資料をどうぞお楽しみ下さい。 


 青森県立郷土館や弘前市立博物館など、所蔵別に風土記資料を探すことができます。 


「絵図・地図」や「古典籍・古文書類」などのカテゴリーで探すことができます。


風土記資料の名称:アイウエオ順から探すことができます。



プロジェクト概要



津軽デジタル風土記プロジェクトとは



津軽地方には、貴重な文献資料が豊富に残されております。その中でも選りすぐりの資料をデジタル撮影し、WEB上で公開することによって、国内外の多くの方々に津軽の歴史や文化の魅力を知っていただき、多くの人に津軽を訪れてもらおうというプロジェクトです。  


プロジェクトの趣旨と取り組み姿勢

「津軽デジタル風土記の構築」プロジェクトは、大学共同利用機関法人人間文化機構国文学研究資料館(以下、国文研と略記)が推進する「文献観光資源学」の中の柱の一つであり、全国に先駆けたモデルケースとして位置づけられているものです。



共同研究であり、国文研と弘前大学教育学部、弘前大学人文社会科学部、及び津軽地方の公的資料所蔵機関である弘前市教育委員会(弘前市立弘前図書館・弘前市立博物館)、青森県立郷土館の五者が覚書を締結してその推進を図っています。


文献観光資源学「津軽デジタル風土記の構築」
プロジェクト推進に関する覚書の締結記念講演会

「津軽の魅力と文化を世界に発信!
―古典籍・歴史資料のデジタル公開に向けて―」


2017年(平成29年)7月15日(土)、 文献観光資源学「津軽デジタル風土記の構築」プロジェクト推進に関する覚書の締結記念講演会「津軽の魅力と文化を世界に発信!―古典籍・歴史資料のデジタル公開に向けて 」を弘前大学創立50周年記念会館みちのくホールにて開催し、約250名が参加しました。

 


郡千寿子弘前大学理事(研究担当)による開会挨拶に始まり、 プロジェクトの理念や基本コンセプトが説明された後、プロジェクト参加機関である弘前市教育委員会・弘前大学教育学部・弘前大学人文社会科学部・青森県立郷土館、そして国文学研究資料館の各長が壇上一同に会し、調印が締結されました。



つづく第二部では、 弘前大学名誉教授長谷川成一氏による「森林資源の活用から見た近世津軽―白神山地・岩木山・弘前城下―」。


国文学研究資料館館長ロバート キャンベル氏による「『弘前藩庁日記』に刻まれた江戸のリアリティ」の二つの記念講演が行われました。  


プロジェクト事業報告

ねぷた見送り絵リブート!

~デジタルアーカイブからよみがえる北斎の女たち~



2019年(令和元年)10月4日(金)から6日(日)までの三日間、弘前市樹木のギャラリー森山にて、 国文学研究資料館と弘前大学の主催による展示 「ねぷた見送り絵リブート! ~デジタルアーカイブからよみがえる北斎の女たち~」を開催し、177名が来場されました。


本展示は、葛飾北斎の伝奇小説の挿絵をベースに、新たな見送り絵を創出しようというコンセプトのもと、ねぷた絵師・川村岩山氏が色紙に30点、新たに描き下ろしたものです。


新たなねぷた絵の提示、さらには本展示がいわば温故知新を体現するかのような、江戸時代の北斎らの絵をブラッシュアップしたものであった点は、来場者アンケートにおいても好意的な評価でありました。


「第四回日本語の歴史的典籍国際集会」パネル発表

「津軽デジタル風土記 ナビゲーションからコミュニケーションへ」



2018年(平成30年)7月27日(金)、 国文学研究資料館主催による「第四回日本語の歴史的典籍国際集会」において、「津軽デジタル風土記 ナビゲーションからコミュニケーションへ」 と題したパネル発表を行いました。


木越俊介国文学研究資料館研究部准教授によるプロジェクト概要の説明の後、瀧本壽史弘前大学教職大学院教授による津軽を知り津軽を語ろう―津軽デジタル風土記への誘い―」報告。


渡辺麻里子弘前大学人文社会科学部教授による「 城下町弘前を歩く―津軽関係資料とその活用― 」の報告。


木越俊介准教授による「古典籍のデジタル化による温故知新―武者絵・北斎・ねぷた絵」の報告を行いました。


津軽デジタル風土記プロジェクト出前講座

―貴重な津軽の歴史文化資料デジタル公開―


2018年(平成30年)6月23日(土)「津軽ひろさき検定」開催一〇周年企画として、 公益社団法人弘前観光コンベンション協会 主催による「津軽デジタル風土記プロジェクト出前講座―貴重な津軽の歴史文化資料デジタル公開―」が弘前市立観光館多目的ホールにて開催され、約100名が参加しました。


出前講座では、 瀧本壽史弘前大学教職大学院教授による「津軽の中の弘前―弘前市立図書館等の絵図を見ながら―」


木越俊介国文学研究資料館研究部准教授による「武者絵ウォッチング―ねぷた絵の型(モデル)をさかのぼる―」


渡辺麻里子弘前大学人文社会科学部教授による「お殿様の教養―津軽藩主の和歌をめぐって―」


津軽の春~弘前城と桜~


津軽の秋~弘前城のある弘前公園と紅葉~


という3つのテーマが取り上げられ、貴重な資料を一緒に拝見し、津軽の歴史や文化について「資料」から沢山のことを学ぶことができて有意義でした。


これらのプロジェクトは以下の関係機関による総合的共同研究であり、従来紙媒体で限られていた場所(研究機関・博物館・大学等)に集中していた地域資料、すなわち古典籍や古文書・絵図などの歴史資料、さらには固定的な碑文などもデジタル化しアクセスを容易にするとともに、紙媒体と併用することによって再資源化していこうというものです。


つまり、津軽地域の歴史的資料の画像と情報をデジタル空間において体系的に連結し、新たな津軽の地域的価値、魅力を創造し、発信していこうとするもので、具体的には、今回、本プロジェクト推進に関する覚書を締結した各機関がそれぞれ所蔵する資料とこれまで培ってきた実績を合わせることで、新たなデジタル環境の構築、そしてそれを地域の資源として生かしていくという未来志向のプロジェクトです。


コンセプトは「本州最北端の風土記」 

津軽海峡によって分断された津軽は、行き止まりの地、文化果つる地であるという認識の存在は否定できません。しかし一方で、津軽は近世四つの口(長崎・対馬※・薩摩・松前)の一つである「松前口」への渡航地であり、北方世界への出発点でもありました。


※対馬(参考)

西漕手(にしのこいで) ~万葉の時代の港~ 


小船越は三浦湾から小さな丘を隔てて浅茅湾の西漕手に接しています。小船越の地名は古くからこの丘を船を引いて西に越え東に越えていたことに由来します。かつて遣隋使や遣唐使などは、九州本土から三浦湾に来て、西漕手に用意されていた別の船に乗り換えて大陸に向かったと言われています。(詳しくは巻末のリンク記事をご覧ください。)


人と人とを結び付ける海の機能もまた否定することはできません。この「行き止まり」と「出発点」の世界の中に津軽があったのであり、津軽の自然と向き合いながら、そこに生きた多様で多彩な人々の生活があったのです。


このような思いから、本州最北端の津軽、しかしながら行き止まりではない津軽の姿を描いていくために「本州最北端の風土記」をコンセプトとし、「津軽デジタル風土記」のテーマのもと「本州最北端に生きた人々」をサブテーマとしました。これらを大きな枠組みとし、


(テーマ体系図をクリックすると拡大表示できる)


その下に

(一)「津軽・北の思想と言説世界」

(二)「津軽・北の自然と生活世界」

の二つを置き、この枠組みが相互に関係し合っていることを踏まえながら、


前者(一)の中に

①藩主・藩士の知

②学問と文芸

③歴史編纂

④生活の知、


後者(二)の中に

⑤生活の記録と図絵

⑥信仰と宗教

⑦祭礼と芸能

⑧自然災害と飢饉、

の各四つの具合的なテーマを設定しました。


資料デジタル化のあゆみと今後

資料選定に当たっては、先のテーマ設定における代表的な資料を念頭に置きながらも、
その上で


①一般市民が興味を引けるような、また見る視点によって様々な発見が出てきそうな資料、

②各所蔵機関において活用の度合いが高いにもかかわらず、資料の大きさや貴重資料のために閲覧に供しにくい資料、

③本プロジェクトの一環として実施した「ねぷた見送り絵展」に関わっての資料・古典籍、をまずデジタル化することにしました。具体的には

①は各地域の風景や諸行事、生活の様子を描いた図絵類等、

②は大形の絵図類等、

③は現在の弘前ねぷたの「見送り絵」のもとになった葛飾北斎らの挿絵が描かれている原典の古典籍です。古文書類についてはその上での基本資料に押さえることとしました。


現在青森県内でそれぞれに行われている資料のデジタル化とその活用の仕方についても、各関係機関の所蔵資料の相互活用を図るための連携システムの構築が大きな課題といえます。


県外・国外の関係機関もありますが、当面は県内各機関での連携を優先的に行うことから始めた方が段階的な取り組みとして、より将来的に発展性のあるものになるのではないかと考えています。



歴史的典籍NW事業 異分野融合共同研究

文献観光資源学「津軽デジタル風土記の構築」プロジェクト

津軽デジタル風土記資料集

――弘前大学・国文学研究資料館共同研究成果報告書――

発行日 2020年3月13日

監修 瀧本壽史

編集 瀧本壽史・渡辺麻里子

著者

谷川惠一・瀧本壽史・佐藤良宣・滝本敦・古川実・小山 秀・増田公寧
・太田原慶子・北上真生・齋藤明日美・三上幸子・鶴巻秀樹・澁谷悠子
・福井敏隆・小石川透・渡辺麻里子・木越俊介・川村岩山・弘前大学翻刻部

主催 弘前大学・人間文化研究機構国文学研究資料館

事業主体

歴史的典籍NW事業異分野融合共同研究 (文献観光資源学)「津軽デジタル風土記の構築」

発行者

国立大学法人弘前大学 青森県弘前市文京町一番地 〒036-8560
人間文化研究機構国文学研究資料館 東京都立川市緑町1013 〒190-00-4

印刷・製本(有)小野印刷所 青森県弘前市富田町52 〒036-8-37

●報告書の一部または全部を、著作権者の許可なしに、複製・転載することを禁じます。



お問合せ先

弘前大学 瀧本壽史

MAIL:htakimoto@hirosaki-u.ac.jp



次回に続く・・・



関連情報は下記のリンク記事をご覧ください。


ZIPANG TOKIO 2020「『みちのく五大雪まつり 第41回 弘前城雪燈籠まつり』と『100年目の弘前さくらまつり』」のご案内

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1981932/


ZIPANG-2 TOKIO 2020「世界を魅了!あおもり10市大祭典 in 青森 明日から開催!」

https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4914365/


ZIPANG TOKIO 2020「青森県 冬の三大祭り『十和田湖冬物語 2017』」の開幕です

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1974734/


ZIPANG TOKIO 2020「 八戸三社大祭 豪華絢爛 日本一の山車絵巻『前編 』~みどころ ~」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2360064/


ZIPANG TOKIO 2020「『八戸三社大祭』神社とともに伝統を守り伝える八戸の人々…義経北行伝説は今も北の大地で生き続けている!後編」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2368694/


ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~江差・姥神大神宮渡御祭~(その1)「ご存知ですか?本州、四国、九州そして沖縄の皆さん~北海道『江差町』とはこんな町です!」

https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4661417/


ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~江差・姥神大神宮渡御祭~(その2)「江差の こころ をたずねて ~江差追分~いにしえ街道~」

https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4672393/


ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~江差・姥神大神宮渡御祭~(その3)「江差の こころ をたずねて~祭りには帰っておいで…母」

https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4685927


ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~江差・姥神大神宮渡御祭~(最終話)「江差の こころ をたずねて~日本創造・英雄に会える3日間~頼もしい仲間・未来の頭取達!」

https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4695426


ZIPANG-4 TOKIO 2020「発掘された日本列島2020」展の開催のお知らせ!

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ZIPANG TOKIO 2020「暴風神スサノオが出雲、太陽神アマテルが対馬、月神ツクヨミが壱岐の出身だとすると【寄稿文その3】 西 護」

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ZIPANG-3 TOKIO 2020 昔から伝わる聖なる地 大石林山「~琉球神話の杜に広がる自然と対話する場所〜」

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https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6373788


・ー・ー・ー・ー・ー・ー


(Ⅰ) につきましては
取り敢えず概要を説明するだけで、画面が精一杯となりました。
次回は愈々、小生が関心をもつた独特の丸みを帯びた扇型の物が多く登場する弘前ねぷた。
数はなんと約80台。「ヤーヤドー」の掛け声とともに、県内最多のねぷたが 運行される。


扇形の山車灯篭に描かれる、大きな目玉を剝いたド迫力を持つ主人公の絵柄とともに、次回には弘前ねぷた囃子がよく似合う妖艶な見送り絵の数々と「北斎とねぷた」 何故、そこに北斎が??についてご紹介することに致しました。


更に、ハネトの飛び回る”青森ねぷた”あの大太鼓のリズムに合わせて、ハネトは否が応でも、魔法にかかったが如く…性根尽きるまで踊りまくるのであります。 一体、何処からこんな発想が湧き上がるのか・・・ そこで、あの世界を風靡した葛飾北斎の登場です。 


ご期待ください♬

(期待はずれに終わったら…どうしよう・・・⁉)

まあ~その時は、責任とって小生、「誓教寺」の北斎翁墓前にてラッセラーラッセラーと
7回唱えて舞い踊れば、格好つくかな〜 🙃  



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(順不同・敬称略)

国立大学法人 弘前大学
〒036-8560 青森県弘前市文京町一番地 電話:0172-36-2111(大代表)

国文学研究資料館
〒190-0014 東京都立川市緑町10-3(Google Map) 電話:050-5533-2900 (IP電話 代表)

公益社団法人 青森県観光連盟 〒030-0803 青森市安方1-1-40 電話:017-722-5080 



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。


現在、1400件余の記事掲載、下記のサイトをご覧ください。


250件ほどの記事をご覧いただけます。

ZIPANG-3 TOKIO 2020(VOL-4)

https://tokyo2020-4.themedia.jp/


235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)

https://tokyo2020-3.themedia.jp/


200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-2 TOKIO 2020 (VOL-2)

https://tokyo2020-2.themedia.jp/


615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/


最新の記事をご覧いただけます。

ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)

https://tokyo2020-5.themedia.jp/  



ZIPANG-5 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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