ZIPANG-5 TOKIO 2020「デザイン経営」って何のため?「九州デザインガイドブック」を作成!~九州経済産業局~

長崎県壱岐市勝本町 鬼凧作り


沖縄県那覇市 世界遺産「識名園」


石川県金沢市 料亭 つば甚「輪島塗 漆椀」



ルネ ラリック


宇治市 世界遺産「平等院」 秋の夜間特別拝観


九州デザインガイドブック

九州経済産業局では、平成30年度から、企業価値の向上を目的とし、「デザイン経営」導入をサポートする取り組みを開始した。


令和2年度には、改めて「デザイン経営」の意義を問い直し、企業が自社の価値や未来について、デザイナーとともに“見える化に挑戦“する「デザイン経営」わからない宣言~そのままにしてはおかない4日間~プロジェクトを実施し、その過程や課題、連携事例等を九州デザインガイドブックとしてとりまとめた。


当冊子が企業とデザイナーがより良いパートナーシップを築き、「デザイン経営」を推進していく上での参考となればと願っている。


「デザイン経営」とは


経済産業省と特許庁は、『「デザイン経営」宣言』(2018年5月)の公表を皮切りに、企業のブランド 構築とイノベーションにデザインを活用し、競争力を向上させる「デザイン経営」を推進している。


「デザイン経営」宣言で使われている「デザイン」という言葉は、色・形の美しさのみではなく、企業が大切にしている価値や、それを実現しようとする意志を表現する営みや考え方自体の事を指している。


ともすれば表面的な色・形に目がいきがちな「デザイン」だが、そうした形で “見える化” することは、その企業の成り立ち、顧客、競合他社、強み、課題について等、企業を取り巻くあらゆる事柄を整理し、分析し、編集すること無しには実現できません。


そしてこの、価値の見える化は、昨今の厳しい競争環境の中で企業経営を行っていく上で、必要不可欠と言える。


市場が複雑化し、大量生産・大量消費に支えられてきた従来のビジネスモデルが通用しなくなりつつある中で、顧客を中心にしてビジネスを考え、これまでの発想にとらわれず、それでいて実現可能な解決策を、反復・改善を繰り返しながら生み出すことが「デザイン経営」の本質であり、企業の規模や地域に関わらず、ニューノーマル下においてその重要性は益々高まっている。


他方で、その導入・実践には様々な課題が横たわっている。


デザイン経営導入における8つの課題

① 経営陣の理解不足
② 全社的な意識の不統一
③ 用語・理解の不統一
④ 人材・人事
⑤ 効果を定量化できない
⑥ 組織体制・評価指標ができていない
⑦ ビジネスとの両立
⑧ 既存プロセスへの組込

我が国のデザイン経営に関する調査研究報告書
『「デザイン経営」の課題と解決事例』(令和2年3月)より


「デザイン経営」の導入には、

①経営チームにデザイン責任者がいること = 経営者がデザインを理解していること
②事業戦略の最上流からデザインが関与すること = デザイナーが経営に参画すること

「デザイン経営」宣言より


デザイン経営導入を考える経営層に理解頂きたいこと

❶デザインを理解する

経営者自身がデザインの技法を習得することやデザインセンスを身につけることは必ずしも必要ないが、誰よりもデザインの本質的な意味を理解し、経営における意義を納得していることが求められる。


そのためには、読書、セミナーや講演への参加等、経営者自身がデザインに触れ、知るための努力をすることが必要。


❷デザインの価値を信じる

デザインの導入には必ずコストが生じるものである。
デザイナーへ払う対価はもとより、デザイナーのこだわりを実現するために、コストが予想以上にかかってしまう場合もあるからである。


しかもその効果を数字で測ることは容易ではない。それでもなお、デザイン導入を進めるためには、デザインの価値を経営者自身が信じるほかない。すなわち、デザインの価値を信じ、リスクを取る姿勢が経営者には求められていると言える。


単に費用対効果的な発想からのみデザインを捉えた場合、デザインの意義を納得させるのは難しい。


❸デザインの限界を知る

どんなに優秀なデザイナーであっても、デザイナー個人の努力だけでは商品を生み出すことはできないと認識すべきである。


デザイナーのような社外の人間と働くことに慣れていない場 合、ともすれば「高いお金を払っているのだから凄いことをやってくれるのだろう」と過大な期待を抱いてしまうことが多い。


しかし、企業側がデザイナーに協力せず、品質向上や営業の努力をしないまま、デザイナーに商品開発を丸投げしてもデザイン導入の効果は上がらない。


「商品にするのはあくまで自分達の責任だ」と言い続けることが、デザイン導入を成功に導く。


❹デザインに対する方針を明確にする

デザイン導入の最初のステップで、自社の課題を知り、デザイン導入の目的を設定したが、これを経営者自身の言葉で社内に宣言し、言い続けることが重要である。何故、デザインに取り組む必要があるのか、何を実現したいのか、どのような方針で取り組むのか、を社員と共有して初めてデザイン導入のための取組は進んでいく。


❺長期的な視点でデザインに取り組む

何事も一朝一夕にはいかない。特に、これまでデザインに馴染みのなかった企業が、デザイ ンに慣れ、使いこなし、効果を出すことができるようになるまでには時間がかかるものである。


社外デザイナーとスムーズにやり取りができるようになるのに2~3年かかることすら普通にあることだと認識すべきである。また、経営同様、デザインに対する取組には終わりがない。少しでも望ましいものへと進化させるための弛まぬ努力を続けることが求められる。

財団法人産業研究所「デザイン導入の効果測定等に関する調査研究」(平成18年3月)より


デザインは企業(クライアント)とデザイナーの共同作業であり、「売り手」「買い手」「世間」の『三方よし』※である。


※『三方よし』について、下記のリンク記事をご覧ください。


ZIPANG-3 TOKIO 2020 ~ 日野・五個荘・近江八幡 ~ 近江商人のふるさと「売り手よし・買い手よし・世間よしの『三方よし』の理念とは」

https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6479273/




~想い出~

インダストリアルデザイナー

栄久庵憲司氏を訪ねて



確か、昭和61年5月頃だったと思います・・・なにせ、30数年前の事なので記憶が多少朧気です…

日本の産業の高度な工業化を先頭に立ってリードしてきた国際的インダストリアルデザイナー栄久庵憲司氏が代表を務めるGKインダストリアルデザイン研究所を訪ね、「モノが美しく機能的に働くことの出来るような、モノ周辺の環境—都市、街並み、家庭、それらを快適にイキイキとした姿に保とうとする人の心の在り方」などについて、その独創的な視点から語っていただきました。

その時の内容について、ほんの一部分になりますがご紹介いたします。

🦇ルイジ・コラー二の「デザインを突き詰めていくと究極、生物に近づく」という有名な言葉がありますが、栄久庵さんがお考えになられるデザインについてお聞かせください。


栄久庵健司氏「デザインというのはやはり、人間が介在したものでなければなりませんね。神と共に神の力を借りて創ることは有りますが」(笑)。


ともかく人間の介在によって人間にとってひとつのテンション、つまり頭の喜びのつくり方を考えなくては。人それぞれ違う物ではありますが、はっきりと言えることは、「デザインは複数に対して喜びを持つ」という事です。

ですから、つくった時から自分のものでなくなってしまうという所があります・・・生産し終わると自分の産んだ子は必ず離れて行ってしまう運命にある、という事です。
誰かの家で使われるようになれば、それはもう使っている人たちの物なんです。

先日、名古屋市長とお会いした時にも同じような質問をされました。そこで考えた末、私は「デザインとは熱田神宮のようなものです。」とお答えしました。(栄久庵氏は戦後、京都で浄土宗の僧侶をされて居られました。)

まず、神様を考える。そうすると神様をお祝いする祭りが必要となり、眼に見えるものとして神社や神輿なども必要となってくる。このような仕組みをデザイン、といいます。

熱田神宮はデザインのかたまりなんですよ。神社のデザインをする、という場合には建物だけのデザインでなく、それに関わってくる色々なものを考えなくては…

例えばひとつのコスモス(小宇宙)を創るというつもりで・・・


本日は、これにて終了といたしますが、いつか機会がありましたらこの続きを・・・(合掌)



ZIPANG TOKIO 2020「初詣 神と人 千古の杜に仰ぎみる悠遠のとき 熱田神宮」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1840360/


ZIPANG-4 TOKIO 2020
全国の姥神像行脚(その19)尾張名古屋の黒い姥神像・・・【寄稿文】廣谷知行

https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8648472/ 


ZIPANG TOKIO 2020「~四神相応の京~  八坂神社と古都の町並み(その壱)」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/3981294


ZIPANG TOKIO 2020「八坂神社の祇園祭は平安66ヶ国にちなみ66本の鉾を立て、祇園の神を祀り、神輿を送って災厄の除去を祈ったことに始まる(その弐)」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/3997331/


ZIPANG-3 TOKIO 2020 「『八坂神社』と 日本三大祭り『祇園祭』」

https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6518584/



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略・順不同)

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511

九州経済産業局
〒812-8546 福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目11番1号 福岡合同庁舎本館(6階、7階)

〒つば甚〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目1−8 電話: 076-241-2181

一般社団法人壱岐市観光連盟
〒811-5133壱岐市郷ノ浦町本村触620-1 電話:0920-47-3700

一般財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)
〒901-0152 沖縄県那覇市字小禄1831番地1 沖縄産業支援センター2F
電話098-859-6123(代)

公益社団法人 宇治市観光協会
〒611-0021 京都府宇治市宇治里尻5-9 電話 : (0774)23-3353 



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。


現在、1400件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


250件ほどの記事をご覧いただけます。

ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)

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ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)

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ZIPANG-2 TOKIO 2020 (VOL-2)

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ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/


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ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)

https://tokyo2020-5.themedia.jp/


ZIPANG-5 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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