国が東日本大震災からの復興のリーディングプロジェクトとして整備を進める復興道路・三陸沿岸道路(三沿道、延長359㌔)のうち、普代村第16地割から久慈市新井田を結ぶ「野田久慈道路(普代~久慈)」(同25㌔)が12月18日(土)に開通することが決まった。
東日本大震災10年/三陸沿岸道 全線359㌔つながる、野田久慈道路の開通で、
12月18日に供用開始
けせんの詩<フォト・ストーリー>
「けせん」のお母さんたちの明るい笑顔に・・・
秋の耳に届く静けさ
どんどんと高くなりゆく秋の空を地色に敷いて、凪いだ水面がのんびりした港の様子を映し出した。ゆったりと間隔を置いて浮かぶ小島があらゆる〝ノイズ〟を遮り、湾をいっそう穏やかなものにする。心地よい静けさの中、さわさわと肌をなでる風と、小舟を揺らす波の音だけが豊かに聞こえた。
(大船渡市赤崎町)撮影:鈴木英里
さやけき景色と出合い
この景色に行き合ったとき、頭の中にすっと下りてきたのは「清(さや)か」という言葉だった。空も海も明るく、清らかに澄んでいる――だが自然そのものではない。住まいがあり、畑があり、道があり…人の営みが見える。そのすべてが〝さやけきもの〟としてこの目に映り、心打たれたのだ。
(陸前高田市小友町)撮影:鈴木英里
秋の松籟に映す夕
つるべ落としの秋の日にたたずむと、映画のシーンのように次の場面、次の場面へと空の色がほんの短い間にめまぐるしく変わっていく。入り日が織りなす夕焼けのショーを松籟(しょうらい)…松に吹く風が立てる音越しに見れば、いつのまにかクライマックスの影絵のシーンへと切り替わった。
(大船渡市末崎町)撮影:鈴木英里
一面に広がる秋
木々も新緑から紅葉へと移り変わる中、森の中でもさまざまな「秋」が姿を見せはじめている。世田米和山地内の森を訪れると、辺り一面に木から落ちたクリが広がり、この時期ならではの光景をつくり上げていた。クリの実を拾いに足を運んだ保育園児たちの歓声が、のどかな山あいに響いていた。
(住田町世田米)撮影:清水辰彦
「小学校」のたたずまい
蛸ノ浦小学校は赤崎小の分校として明治6年に創立。東日本大震災後、赤崎小がここを間借りして2校合同の学校生活が始まり、校庭には仮設住宅が建ち、学びや暮らしの音が響いてきた。平成29年春、赤崎小との統合で144年の歴史に幕を下ろすも、地域の人々が親しみ続けた姿は残る。
(大船渡市赤崎町)撮影:志田睦明
息づく新たな文化
本年度開校した大船渡市の東朋中学校。赤崎、綾里両中が統合後、初めて開かれた文化祭で、「アンブレラスカイ・プロジェクト」として、全校生徒がデザインした傘が会場を彩った。校史のスタートから約半年。一歩一歩着実に、新たな文化が息づいている。
(大船渡市赤崎町)撮影:菅野弘大
船内から最後の景色
木造千石船の復元船「気仙丸」が湾内を移動する直前、気仙船匠会のメンバーが船名額を置くため、船内に入った。床板の下に見える海面は、命をかけて気仙の産物を江戸に運んだ歴史を静かに伝え、その先に最後の目的地となった大船渡の今を描いていた。内部も、未来に残すべき匠にあふれる。
(大船渡市赤崎町)撮影:佐藤 壮
漆黒に輝く気仙丸
白い帆はなく、大きなかじも、地に置かれた。動の役割を終えても、曲線の美しさと精巧な彫刻は、唯一無二の存在感を放つ。平成の海を渡り、令和に陸を越え、夜は宙を進もうとしながら、江戸海運の歴史や、匠の技術を人々の心に届ける。漆黒の闇に、気仙の宝が輝き始めた。
(大船渡市大船渡町)撮影:佐藤 壮
『ケセン』シリーズ アーカイブ リンク記事をご覧ください。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 黄金の国ジパング『ケセン』(その1)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8824030
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その2)~ 気仙三十三観音巡り ~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8824318
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その3)~ 気仙三十三観音巡りと伝統文化 ~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8870583
ZIPANG-4 TOKIO 2020 黄金の国ジパング『ケセン』(その4)気仙郡住田町 ~ 伝統技術と木質新素材の融合により2020年「日本建築学会作品選奨」受賞 ~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8893957
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その5)気仙地方と気仙大工・・・【寄稿文】日原もとこ
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8950059
ZIPANG-4 TOKIO 2020 黄金の国ジパング『ケセン』(その6)気仙に命の色を訪ねて・・・
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8987994
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その7)気仙に「森川海と人」の色を訪ねて・・・
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9011547
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その8)気仙に「記憶の色」を訪ねて~Ⅰ~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9051723
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その9)気仙に「記憶の色」を訪ねて~Ⅱ~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9055070
ZIPANG-4 TOKIO 2020 黄金の国ジパング『ケセン』(その10)~気仙三十三観音巡り~自然の中にも観音様の御姿が!(Ⅰ)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9068167
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』 三十三観音巡り(その11)~観音様は水の化身~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9054156
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その12)宮沢賢治が愛した~種山ヶ原と人首町~Ⅰ
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9285176
ZIPANG-4 TOKIO 2020
黄金の国ジパング『ケセン』(その13)宮沢賢治が愛した~種山ヶ原と人首町~Ⅱ
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/9302948
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
東海新報社 〒022-0002 岩手県大船渡市大船渡町鷹頭9−1電話:0192-27-1000
国土交通省東北地方整備局
〒980-8602 宮城県仙台市青葉区本町3丁目3−1 B棟 電話:022-225-2171
国土交通省 〒100−8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 電話:03-5253-8111
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
お知らせ
次回の記事より新Webサイト『ZIPANG-6 TOKIO 2020』になります。
まだ立ち上がっておりませんが、暫しお待ちください。
近々、ご案内いたします。
現在、1500件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。
250件ほどの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/
235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/
200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/
615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/
最新の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
0コメント