ZIPANG-5 TOKIO 2020 古今折衷 ~美術館に泊ろう~ 加賀屋別邸 “松乃碧’’(Ⅱ)

和倉温泉 松乃碧から眺められる七尾湾に架かる能登島大橋。最奥に立山連峰を望む…


~ 開湯千二百年 天下の名湯 美術館に泊ろう~ 加賀屋別邸 “松乃碧’’


和倉温泉 松乃碧 外観より…ライトアップされた夜景


館内美術館



様々な器や作品の

色、質感、光、ぬくもり。

松乃碧の館内の美術館。
エントランスギャラリーには工芸品の数々が飾られ、中でも赤と黒のコントラストで彩られた輪島塗の漆器が和の趣を感じさせる。

入館時間 11:00~15:00

入館料 ワンドリンク付 1,000円

駐車場 30台(無料)


日常で使われ、実感する「美」

館内ではご希望の方に販売も行っている。
使うほどに味わい深くなる漆器は 何年も、何十年も使い続けることができる。 


館内美術館 角偉三郎ギャラリー


角 偉三郎

輪島市出身の漆工芸家。
漆とは、木とは何かを問い、能登の職人たちと向き合うなかで生まれる「空気が必要とするかたち」を追求し続け、その作品は国内外で高い評価を得ている。

1981年
和倉温泉加賀屋ラウンジ壁面「天女の舞」40m制作。その後、器の世界へ転向。
国内外で高い評価を得ている。2005年 65歳で他界


輪島塗とは

昭和61年冬、金沢美術工芸大学 関里繪子名誉教授(当時助教授)のご案内で郷土史家であり、上塗りの塗師 梶原修一氏を訪ねたことがある。


真冬の日本海、能登の海岸はこんな感じでした。寒風と寒さで、指が悴んでカメラのシャッターを切れないほどでした。(あの時ほど、体の芯まで温めてくれる、和倉温泉の湯が有難く思ったことはなかった・・・)

能登の冬の風物詩として知られている「波の花」は、季節風が強い日、岩に打ち寄せた波が白い泡になって、雪のように舞い海岸を覆うのである。

曽々木海岸や鴨ヶ浦付近が多く見られるポイントである。
波の花は、海中に漂う植物性プランクトンの粘液が冬の荒波にもまれて、せっけん状の白い泡を作ったものと言われている(海が汚染されていると泡が作られにくいとされている)。

最初は美しい白色だが、時間が経つにつれて黄色になる。服などに付くと黄色い染みになり取れなくなるので、観光する際にはあまり近寄らないなどの注意が必要だ。


真冬の日本海を眺めながら訪れた輪島の町。案内されたのは仕事場の土蔵だった。

花塗りとも呼ばれるこの仕事は塗行程の仕上げにあたるわけで、ほんの少しのゴミやホコリが入っても駄目。仕事場はもっぱらホコリの入りにくい土蔵の二階に設けられる。


「漆は塩気にも弱い。昔から塗師やの蔵には、ひとつとして海に向いた窓はありません。潮風が入ると渇きが悪うなるんですわ。昔の人はちゃーんと考えとったんですな。」

丁寧に刷毛でホコリを取る梶原氏の膝元には、ラジオが…「孤独な仕事やからね」と、ポツリ・・・その見事な技術を披露していただくとともに輪島塗の素晴らしさについて語っていただきました。

その中で特に印象深かった『地の粉』と『手抜きをしない』について簡単にご紹介いたします。


『地の粉』

輪島が全国の漆芸産業の中でも屈指の産地となった理由は、『手抜きをしない』と言われるほどの手堅い仕事と『地の粉』の入った下地塗りにある。

『地の粉』は輪島特産の珪藻土の一種で、漆と練り合わせて下地塗りすることにより堅牢で厚い下地の層が出来る。

現在では漆器同業組合が市から永久採掘権を受け、他産業への移出が禁止されているため、日本一の漆工芸として輪島塗は全国の信頼を得ている。

梶原さん曰く「この地の粉があってはじめて、輪島塗は他の産業と競争できるようになるんです。」

『地の粉』は寛文年間に重藏神社のお告げによって発見されたと伝わっている。


『手抜きをしない』

輪島塗の漆器は、全124工程にも及ぶ手作業である。

大きく分けると、木地、きゅう漆、加飾の3つ、それを細分すると椀木地、曲物木地、指物木地、朴木地、下地、上塗、呂色、蒔絵、沈金等になる。

長い年月をかけて天然の漆を塗り重ねることが、数ある漆器の中で輪島塗が一番強いと言われる理由のひとつなのだ。

漆を使用することにより、丈夫さと仕上がりの美しさに加え、拭けば拭く程ツヤが出て、何年も何十年も購入時の美しさを保つことができる。


それはまさに能登の風土が生んだ賜物であり、それを育ててきた職人たちの心根によるものである。



開湯千二百年。

滾々と湧き続ける

歴史ある海の温泉 和倉温泉


開湯以来、千二百年という歴史を積み重ねてきた和倉温泉。 名湯和倉の湯を守り、育て続けた歴史がそのまま和倉温泉の歴史である。

北陸で唯一の海の温泉としてこれまで、全国からの観光・湯治客等を受け入れてきた和倉温泉の魅力は、高温で豊富な湯量を誇る良質な源泉である。今も昔も変わらない温泉を楽しむことの出来るよう試行錯誤を繰り返しながら、旅人の湯治湯として今日にいたっている。


和倉温泉のいで湯


北陸を代表する和倉温泉のいで湯は自然がもたらしてくれた恩恵。この恵みを最大限に生かすため、加賀屋では露天風呂・野天風呂等様々なタイプの温泉を楽しむことが出来る。
湯の香、潮の香を感じながら、その時々の気分に合わせて、情緒あふれる旅のひとときを満喫できるのである。


和倉温泉「松乃碧」のいで湯とは

和倉温泉「松乃碧」男・女の大浴場ロビーにも美術品の展示。
湯上りにゆっくりとご覧を….


和倉温泉「松乃碧」内風呂 女性大浴場。露天風呂と七尾湾が一望できる…
窓の外に広がる海の景色。開放的な気分を味わいながら、肌触りがツルツルの温泉を堪能してみては如何ですか・・・ 


和倉温泉「松乃碧」女性大浴場に続く露天風呂… 黄昏の湯
露天風呂の水鏡の湯は海と空に溶け込み、まるで温泉屋形舟が穏やかな七尾湾に浮かんでいるかのようである。


和倉温泉「松乃碧」 内風呂 男性大浴場
大きく広がる窓…穏やかな七尾湾を眺めながら身体があたたまる海の温泉でゆったりとしたひとときを。 


和倉温泉「松乃碧」大浴場に続く男性露天風呂…暁の湯
情緒あふれる岩風呂に浸かりながら七尾湾を眺めることができる。 遠くには能登島大橋が望め、開放的な気分となり、きっと夕食時にはお酒が進み会話も弾むに違いない!


水晶をくぐりぬけた透明な泉質

開湯以来、1,200年という歴史を積み重ねてきた和倉温泉は北陸・石川を代表する温泉である。
地下の花崗岩に含まれる水晶をくぐり抜け、透明なお湯が絶えることなく湧き出ている。
塩化物泉で高張性(高濃度)のため、肌の敏感な方は少しずつ 身体を慣らしながらの入浴をお勧めしたい・・・


お勧めの入浴方法について

入浴前に手足から身体の上部へと順にかけ湯をして温め、3~10分程度つかり、慣れるにしたがって入浴時間を延ばしてください(初日は1~2回程度)。
飲食・スポーツ前後の入浴は30分以上間隔をあけるのが良いと思いでしょう。


入浴後、温泉成分を洗い流さないほうが湯冷めを防げますが、湯ただれを起こしやすい人は、真水で身体を洗うか、温泉成分を拭き取ること…。

心肺機能の低下している人は、全身浴よりも半身浴又は部分浴が望ましいので浴槽内のステップに腰を掛け入浴されては如何でしょうか⁉

一般的な浴槽の内高は(上框から浴槽の底までの高さ550㍉~600㍉前後)、内高350㍉~450㍉位の寝湯(仰向きで足を延ばして入浴)の場合は、気を付けていないと浮力により体が安定できず、横向き、うつ伏せになり慌てて浴槽内の湯を飲んだりするので、浅いからといって油断しないでしっかりと両腕を固定して入浴することが必要。

また、湯冷めに注意して一定時間の安静を守り水分を補給されることを忘れないように。



湯上りサロン

太古の世界に思いを馳せる空間で

ここだけの「特別」な時間を過ごす。


温泉をご堪能後には、湯上がりサロンにてドリンク&アイスをどうぞ。
中庭に展示されているのは、1億年前から生息するシダ植物、モクセイシダ。

伝統工芸に囲まれた湯上りラウンジでは、過去と今をつなぐ作品が展示されている。湯上がりのひとときは、ここだけの能登文化を楽しまれては如何でしょうか⁉


客室

露天風呂付 特別室

松乃碧 特別室客室 露天風呂


松乃碧 客室 露天風呂付特別室


松乃碧 客室 露天風呂付特別室


松乃碧 客室 露天風呂付特別室

※露天風呂付特別室は予めのお問合わせを。


松乃碧 客室 (和室12畳・ツイン)和風モダンな琉球畳


松乃碧 客室  (和室12畳・ツイン)和風モダンな琉球畳


松乃碧  客室 (和洋室13畳・ツイン)和風モダンな琉球畳


全室【和】を残しながら現代的にアレンジされたベッドとソファの客室。 露天風呂を備えている部屋は3室。 窓下には風光明媚な七尾湾の穏やかな季を一望できる。  


お泊り特典

北陸初のインクルーシブシステム

インクルーシブとは

施設内の下記サービスを<料金内>でご利用いただけるシステム

※特別な物は別途料金が発生。




《 ご宿泊料金に含まれるご利用 》


・ ロビーラウンジ(ドリンク・スイーツ)
・ お茶室(呈茶)
・ お部屋(冷蔵庫)
・ 湯あがりラウンジ(ドリンク・アイス)
・ お食事処(夕食・朝食時のお飲み物)
・ バー(ドリンク・お夜食)
・ 温泉湯めぐり(加賀屋グループ旅館)

※特別室は別途ルームチャージを申し受けます。

※中学生未満のお子様はご宿泊できません。

※全室禁煙です。(各階にスモーキングブースあり)


スモーキングルーム

各フロアに喫煙室が設けられている。


加賀屋グループ旅館 湯めぐり

近くの姉妹館・加賀屋、あえの風のお風呂も利用できる。

※利用の際は、ご遠慮なくフロントにお申込みを!
※加賀屋・あえの風全館貸切等で利用できない場合はご了承を・・・


LOUNGE & LIBRARY

ラウンジライブラリ

お好みの物を手に取り、思い思いに過ごすひととき。
前田家ゆかりの茶室がある美しい庭園(西畠清順氏がプロデュース)を眺めながら、ゆっくりとした瞬間(とき)を過ごせる空間がそこにはある。



冬は暖炉のあたたかさを感じながら、夏は涼やかな水辺を眺め、好みのドリンクやスイーツ、本を時を忘れて楽しみたい…松乃碧の夜はいつしか更けていく・・・



アクセス

「和倉温泉」がもっと近くにー。

「和倉温泉」は、北陸の玄関口「金沢駅」から特急で約1時間ほど。ゆっくりと風景を眺められる直通バスや観光地を巡るローカル線の電車で訪れる方も。
加賀屋別邸「松乃碧」は、「和倉温泉駅」からの送迎を行っているので、希望される方は電話にてご予約を!電話:0767-62-8000


能登半島の観光地図



和倉温泉 松乃碧にお泊りの折には
「能登國一宮 気多大社」にご参拝を!気多大社情報です。


ZIPANG-4 TOKIO 2020 能登國一宮 気多大社「令和元年 奉祝 天皇陛下御即位記念 ‘‘入らずの森’’ 特別参拝(1)」

https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7314964/


ZIPANG-4 TOKIO 2020 能登國一宮 気多大社 年中祭時記「誕生したばかりの我が子のために祷る母の深い愛とは(2)」

https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7320928/


ZIPANG-4 TOKIO 2020 「 創建二千年の歴史を持つ能登一宮 気多大社の国指定重要文化財(3)」

https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7331306/



次回に続く・・・



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(順不同・敬称略)

和倉温泉 加賀屋 〒926-0175 石川県七尾市和倉町ヨ 部80 電話: 0767-62-1111

加賀屋別邸 松乃碧 〒926-0175 石川県七尾市和倉町ワ 部34番地 電話:0767-62-8000

加賀屋グループ 名古屋営業所(ゆのくに名古屋内)
〒451-0043 名古屋市西区新道1-9-30 リンツネビル203 電話: 052-571-4421

公益社団法人石川県観光連盟
〒920-8580 石川県金沢市鞍月1丁目1番地 電話:076-201-8110

石川県名古屋観光物産案内所
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄4丁目16番36号 久屋中日ビル3階 電話:052-261-6067

  


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。



現在、1400件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


 250件ほどの記事をご覧いただけます。

ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)

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235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)

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200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-2 TOKIO 2020 (VOL-2)

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ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)

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ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)

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ZIPANG-5 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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