群馬県甘楽町
こんにゃく芋の生産量が、日本一の県、群馬県。全国の90%以上を占めています。
運が良くないと育たないこんにゃく芋にあやかった運玉神社のあるこんにゃくパーク
そしてその特産品について、工場の見学、こんにゃく料理のバイキングなどが無料で楽しめる施設としてこんにゃくパークがあります。この知る人ぞ知る人気スポットがある場所が群馬県の甘楽町です。
風光明媚な楽山園の庭園
甘楽町は、人口約1万3千人の小さな町ですが、その歴史は古く、元和7(1621)年に造られたと伝えられる国指定の名勝、楽山園などもあり、同園では現在も風光明媚な庭園を見ることができます。
石造りの雄堰が流れる町並み
さらに、街中には石造りの雄川堰が流れ、その堰に沿って明治中期の養蚕農家の街並みとともに趣のある景観を醸しています。
街中に三途の川が
橋げたに三途川の文字(左端:黒地に金文字)
三途川岸にある姥子堂
姥子堂の奪衣婆像
この甘楽町内に、その名もそのまま三途川が流れています。そしてその川岸、橋の袂に姥子堂があり、奪衣婆が祀られています。
甘楽町の教育委員会が発行している「甘楽町の文化財」によると、宝勝寺文書に寛延3(1750)年に、その境内が東西12間、南北6間半と、また、文政3(1820)年にはその名前について、「閻魔山西光院本尊大日如来姥子堂」との記録があり、宝勝寺の隠居寺となっていたようです。
三途川についても、昔は鉄分が多く含まれた水が流れ、赤く濁っていたという話もあり、その不吉な地獄の様相から三途川と名付けられ、奪衣婆が川岸に祀られたのかもしれません。
姥神と関連が?
姥子堂という名は、富山県立山など、ほかの地域の姥堂と呼び名がよく似ています。また、姥子堂の名前に「大日如来」が入っていることも、新潟県出湯の奪衣婆が大日如来の化身とされていることとつながりが感じられます。
(その13参照)
ZIPANG-4 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その13)新潟五頭山麓 羽黒地区『優婆堂』優婆尊縁起によると…【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7504639/
現在は奪衣婆として祀られていますが、もともと姥神として祀られていた可能性があるかと思います。
ほかに、この姥子堂の存在が確認できるのが江戸時代以降ですので、すでに庶民に奪衣婆の存在は浸透していたと思われる時代です。そのため三途川にちなみ、奪衣婆を祀ってはいるのですが、これを他の地域を参考にして、姥神のように祀ったものなのかもしれません。
参考文献
「甘楽町の文化財」 甘楽町教育委員会 2018年
次回に続く・・・
寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家
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発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
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ZIPANG-5 TOKIO 2020
全国の姥神像行脚(その30)「奪衣婆と姥神は同一?」【寄稿文】 廣谷知行
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