信越トレイルは、長野県と新潟県の県境に位置する関田山脈の尾根伝いに延びるルートで、総延長距離は約80㎞(アプローチ含む)、標高1000m前後の山脈では、豪雪地帯ゆえに雪解け水が豊富で、多様な植生を育み、貴重なブナやナナカマドなどの手つかずの広葉樹の森が広がっている。稜線上に湿地帯が点在し、多種多様な生物が生息している。
2021年度の「日本山岳遺産」候補地を募集!
この度、インプレスグループ※
ーー 山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:二宮宏文)が設立した日本山岳遺産基金ーーでは、8月31日まで2021年度の「日本山岳遺産」候補地を募集しています。
※ 【インプレスグループ】についての詳細は、巻末をご参照。
2010年から2020年の11年間で全国39の山岳エリアを「日本山岳遺産」として認定し、その地域で山岳環境保全や登山道整備などを行う団体に対して、合計約2023万円を助成してきました。助成金は登山道の維持・整備や植生の保護・復元のための資材や備品購入、活動のための費用などに活用されています。
日本山岳遺産および助成先団体の認定については、提出された申請書類をもとにして、アドバイザリーボードの意見を参考に当基金事務局が決定します。
2020年度の日本山岳遺産認定地と認定団体一覧
✪ 鋸山(千葉県)/金谷ストーンコミュニティー
認定年:2020年
助成金:850,000円
助成内容:地元住民と登山者主体の社会参加型整備事業
【山の概要】
山頂の露出した岩肌とその下を覆う広葉樹、針葉樹の混在した緑地が独自のコントラストを表す。2019年の台風で甚大な被害を受け、倒木や土砂崩れで自然景観が損なわれた。 採石産業は独特な景観を作り出し、石切場自体が貴重な産業遺産の遺構。
【認定団体】
鋸山から産出された房州石の歴史及び産業遺産として人とのかかわりに関する調査研究や、山の景観維持のための整備・環境保全活動を行っている。
【認定理由】
近郊の一般市民にも親しまれている山で、景観維持、環境保全、安全啓発など多彩な活動を続けてきた実績を評価した。
✪ 信越トレイル(長野県・新潟県)/
特定非営利活動法人 信越トレイルクラブ
認定年:2020年
助成金:674,500円
助成内容:信越トレイルの苗場山延伸事業
【山の概要】
長野・新潟県境に沿った関田山脈の尾根伝いのルートで、総延長約80km。手つかずの広葉樹の森が広がる。県の絶滅危惧種も生息し、山全体が国の天然記念物に制定。何世紀にもわたり信濃と越後の集落からの人や物資、文化の往来がある。
【認定団体】
地域連携を図り、自然・文化・歴史の地域資源を再認識し、トレイルを訪れる人々との交流を通じて地域の活性化・観光振興に寄与。人間と自然とが共存する里山の機能を理解するとともに新たな里山の在り方を考え、環境問題への意識の啓発を行っている。
【認定理由】
日本のロングトレイルの先駆けとして官民連携した活動内容を評価。古道を復活・整備しての延伸に期待。
✪ 金剛山(大阪府・奈良県)/金剛錬成会
認定年:2020年
助成金:500,000円
助成内容:登山道の維持活動と安全登山のための意識啓発活動
【山の概要】
大阪・奈良・和歌山の3府県にまたがる金剛生駒紀泉国定公園最高峰で日本二百名山の一つ。大阪府内で絶滅危惧I類となっているノカラマツやミツバコンロンソウが生育、多様な自然が残る。古事記や日本書紀にも記載があり、2020年度の日本遺産に認定された。
【認定団体】
登山道の修復等の活動を実施。1996年に設置された山頂の公衆トイレについても会員が交代で日々の清掃にあたる。
【認定理由】
地域の登山愛好家や一般市民に広く親しまれている山で行政と協働して活動を続けている点を評価した。
✪ 山王山(長崎県)/新上五島町荒川郷
認定年:2020年
助成金:500,000円
助成内容:登山道整備活動
【山の概要】
複雑な海岸線と山の美しい自然景観で西海国立公園に指定。五島列島全体を展望できる中通島の中央部に位置し、亜熱帯系の照葉樹林が分布、動物相も亜熱帯系の種が飛来する。遣唐使の遺跡が存在し、最澄ゆかりの山岳信仰の山。2015年日本遺産に認定。
【認定団体】
荒川郷自治会は島内4地区から構成。山王山登山道の清掃や除草作業などの環境整備を行っている。
【認定理由】
1878年に設立し、地域に根付いた環境整備活動を長く続けていることを評価。過疎高齢化が進むこの地域で、今後も活動が継続されることを期待したい。
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■日本山岳遺産 申請概要
支援対象となる団体:
・特定の山もしくは山岳エリアにおいて、山岳環境保全や登山道整備などの活動を3年以上行っている団体。
・支援対象事業の実施状況および予算・決算などの財政状況について、当基金の求めに応じ適正な報告ができる団体。
・法人格を有する団体。または、これと同程度に社会的な信頼を得ている任意団体。
対象となる活動の期間:2022年4月1日~2023年3月31日
助成金額:総額250万円(予定)
助成対象となる活動費の用途:
・2022年度の活動に使用するもの。
・資材・物品の購入など。またはこれらの修繕などの経費。
・専門家への謝金等。
・旅費・交通費、宿泊費、食費、通信連絡費、現地事務所の光熱費等の経費。
・資料の翻訳、印刷、出版等に係る経費。
助成金の送金: 2022年3月末日までに指定の振込口座に振り込みます。
申請方法: 日本山岳遺産基金のウェブサイトの応募フォームに必要事項を記入し、当基金事務局まで申込み。折り返し事務局より申請書類(Wordファイル)を送付。申請書類に必要事項を記入の上、当基金事務局宛に郵送して下さい。
申請書類締切日: 2021年8月31日(消印有効)
審査期間: 2021年9月1日~9月30日
発表: 2021年10月下旬(予定)
【日本山岳遺産基金】とは
日本の山々がもつ豊かな自然・文化を次世代に継承していくために、2010年に株式会社山と溪谷社と株式会社インプレスホールディングスが設立した基金。「次世代育成」「山岳環境保全」「安全登山啓発」の3つをテーマに活動を展開しています。
【山と溪谷社】
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。さらに、自然、環境、ライフスタイル、健康の分野で多くの出版物を展開しています。
【インプレスグループ】
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「モバイルサービス」「学術・理工学」「旅・鉄道」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。
【お問合せ先】
日本山岳遺産基金事務局(山と溪谷社 内)担当:永田
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
電話 03-6744-1900 E-mail: kikin_info@yamakei.co.jp
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(敬称略)
株式会社 山と溪谷社
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング 電話 03-6744-1900
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
山に関する アーカイブ リンク記事をご覧ください。
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